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「中古マンション+自分達でリノベ」の選択理由。

買うか借りるか

これはどの視点で見るかで随分意見が変わるし、そもそも「どっちが得か」みたいな資産的な発想だとおそらく「中古マンション購入+自分達でリノベーション」なんて選択肢は出てこないと思われる。(いくらリノベしても、基本は立地や床面積や築年数あたりで資産価値は決まるので。)
自分が購入に向かった動機は、大学入学以来15年くらい賃貸に住んでる身として、もっと暮らしの質を上げたいなと感じる場面が多くなったからだろうか。建築系を専門に学んでいた経緯もあり空間に対する想いも元々あったが、何より仕事が大変でも家に帰るとうまく切り替えられるような場所にできないかという想いが募ってきた。少々理想的過ぎるかもしれないけど。そういった暮らしの質を上げるには賃貸では物足りなくなってきたのだ。(もちろん今回設計を頼んだ後輩の自宅のように、賃貸でも自らの頭と手を活用してオリジナルな場所に仕上げることは可能だが、色々な意味でそこまで僕にはできない。)
何か決定的な要因というより、ここまで書き綴った想いと金銭的な見通しが合致したため、自然と買う決断に至った感じである。

 

「中古マンション+自分達でリノベ」を選択した理由

買おうかとなってもそこからの選択肢も色々ある。戸建てかマンションか。新築か中古か。新築戸建てなら建売か注文か。マンションならそのまま住むかリノベするか。リノベ済みを買うか、買ってリノベするか。それらの組合せ。
で、どれを選ぶのかは、自分達がどんなライフスタイルを実現したいかと、僕の中ではイコールだ。選択に関わる条件を羅列してみる。

  • 夫婦それぞれの通勤はこれまで通り楽なまま(徒歩圏あるいは自転車圏)
  • 現在の最寄り駅周辺が気に入っているので、できれば来やすい場所
  • 将来的に子どもができたとして、できる限り暮らし続けられるある程度の広さ(一方で夫婦2人のままで手に余ることのない広さ)
  • 建売住宅や新築マンションでありがちな新品ピカピカな感じは回避
  • 健康的なことも考慮して、ローンの支払いに無理のない程度の価格(借入限度から相応の余裕をみた融資額)

そんなところかな。これらを満たそうとすると、まずそこそこ土地の高いエリアになってしまうため、新築系は消える。中古戸建てはそもそも物件自体が少なくて初めからあまり頭になかった。(リノベ費用も高くなるみたいだし。)そうすると中古マンションしか残らない。そしてリノベ済み物件は気に入るものが少ないだろうし、それが住みたいエリアにある可能性は更に下がる。結果として、「ここなら」という場所で、「好きな空間」を実現するために、「中古マンション+自分達でリノベ」を選んだ(というより選ばざるを得なかった、やっぱりお金大事)。
次回は恐らく中古マンションの選び方。乞うご期待。

マンション購入の動機(というかきっかけ)。

妻にリノベについてもっとブログに書けと言われたので、今回は動機について。
前回の記事にあった「そろそろ買ってもいいか」って部分をもうちょっと詳しく。

不動産の物件情報サイトを当てもなく眺めることが僕のささやかな趣味であった。HOME’S的なものもたまにチェックするけど、R不動産とかリノベ界隈のサイトに足繁く通っていた。買うなんて意識はなかったから、ほとんど賃貸ばかり。でもそういうサイトには分譲も紛れ込んでいたりする。
とある日いつものように物件情報を見ていたら、今住んでいる家に比較的近い立地でそこそこ広いのに価格が安いリノベ済み物件が掲載されていて、「え!?この価格なら(無理せず)買えるのでは??」なんて思った。とはいえ本気で買おうという考えはなく、ちょっと見てみるのも経験としてはよいかなんてノリで妻に相談したら、僕と全く同じ反応だったから勢いで内見予約をしてみた。

内見当日。マンション自体はけっこう古い。初めての内見だしこんなもんかなと思って、その時はそこまで気にならなかった。(後から考えると、内見した物件の中では中の下か下の上くらいな気がする。)
でも二人とも古いことに対してそんなに拒否感がなかったのは今回リノベを決断する要因の1つかもしれない。内側はいくらきれいにできても外観や共用部はどうにもならないから。
担当者の方と部屋に入っての第一印象は「けっこう良いかも」だった。妻もこれまた同じような感じか、むしろ僕より気に入ってた感じさえある。水回りが狭いとか気になる部分はあるものの部屋としての雰囲気は好きだったな。安いし部屋の中も気に入ったのに何故そこに決めなかったかと言うと、車がひっきりなしに通る幹線道路沿いだから音や振動がけっこう激しくて、住んだらずっと気にすることになりそうだなと思ったから。外観や共用部と同じように立地も変えられない。当たり前だけど、不動産を探すときにこれは忘れてはならないポイント。

で、担当の方にローンとか諸経費とか基本的な話を教えてもらって、その日は退散した。そしてランチで寄ったココイチでカレー食べてるときには、今回内見した物件かどうかは別として買うのもありかもなぁなんて感じていたことは確か。じゃあなんで自分でリノベする物件を探そうかと思ったのかについてはまた次回。

家について真っ先に考えること、あるいは暮らしの遺伝子。

家をつくることにした。正確に言うなら、中古マンションを購入してリノベーションすることにした。

経緯を記録しておいた方が良いかと思い途中までつらつら書いていたんだけど、あまりに長くなりすぎるし要点がよくわからなくなってきたので、その辺は割愛する。すごく短くまとめると、「そろそろ買ってもいいか」となんだか自然とそう思ってしまったからでしかない。DINKSとして生きることを決めたわけでもないので、将来の家族構成に不確定要素は確かにある。でもそれを許容できる家をつくればいいかって感じで。(ただし予め書いておくと、そんなに広い家ではない。)

前フリはここまでにして、今回は家をつくるにあたってどんなことが大切だと思っているかを書こうと思う。それは単なる空間的な話ではなく、「家」を通じた僕の「家族」に対する捉え方である。
ダイアグラムを使って思考の整理を試みようと思う。

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上の図は小学生時代に通っていたそろばん教室を図式化したもので、先生一家の自宅も兼ねている。図中の個室でそろばん教室が行われ生徒が入ってくるため、個室と生活空間(LDK)の動線を廊下から分けている。
別にそろばん教室に限らず普通の戸建てやマンションでもこんな構成の家は数多くある。(友人の家に遊びに行くと、圧倒的にこの構成が多かったと記憶している。)

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そしてこれが僕の実家の構成。図としても非常にシンプルだが、何より注目すべきはLDKを通らないと個室には辿り着けないことである。すなわち、家を出る際や帰宅時に家族の顔を見ることになる。どんなに顔をあわせたくない時でも。
これは母が家の購入にあたって最も重視してた点だった。僕が小学校5年生の時に今の実家へ引っ越したのだが、それまで住んでいた祖父母の家も同様の構成で、大学で一人暮らしをするまではそれが当たり前のことだった。
リビングの居心地が良くて、寝るときにようやく自分の部屋に行くこともたくさんあった。(これは部屋にテレビを置くことが禁止されていたのも大きな要因だが。)険悪な時期でも、この家だから常に最低限のコミュニケーションがとれていたのだと思う。言葉なんかほとんど交わさなくても、顔をあわせるだけでわかることはそれなりにある。
少しかしこまった書き方をするなら、家づくりにおいてパブリック→プライベートという順路がうまく組み立てられれば、僕の根源的な要求を満たすことになる。

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長々語ってきたがこれが今回のリノベでやろうとしている構成である。マンションならではの制約もありなかなか純粋な形での実現は難しかったが、基本的には実家とほとんど変わらない。寝室はLDKとなるべく一体的なものとして使いたいなと考えている。
マンションなのに階段があって、その先が「?」になっている点はそのうち書こうと思うけど、将来に対する自由度を担保している部分。

閑話休題。
この構成がどんな質感(デザインと言い換えてもいいかもしれない)で立ち上がるかによって、実際の暮らしの豊かさは変わってくるのは理解している。でもそこは設計者(大学の後輩)に全面的な信頼があるのであまり心配していない。むしろフローリングだとか水栓だとか自分達で選ぶものが意外と多くて驚いているくらいだ。ショールームであれこれ言いながら悩むのも案外楽しいけどさ。

ちなみに現時点は見積待ちで、予算内に収まってくれることを祈っている状態である。
(家については今後も何かテーマを見つけて時折コラム的にブログを更新したいなと考え中。)

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