*

*

*

絶望から絞り出した発想の転換。

no choice
no choice
no choice
no choice
no choice
no choice
no choice
no choice
no choice

深夜になっても、台湾に行ける希望が残っていたときは全然不安がなかった。なのに大雪等の天候悪化で欠航が決まって、成田空港で宿泊せざるを得なくなってからはどんどん心細くなっていった。
寝袋が支給され、国際線出発ロビーで疲れきった体を休めるまではよかった。保険か何かの窓口近くに陣取っていたため、早朝から起きなくてはならず、そこからはどうにか心を落ち着かせるよう努めていた。妻と一緒にいることが救いだった。
自宅に帰る方法を探すも、電車もバスも動いていない。ましてやタクシーなんて来るはずもない。ネットで調べる限り、ここは陸の孤島になっているらしい。こうなると、できることはお腹を空かせないようにしながら待つことだけだ。

いつまでも経っても交通機関が復旧する気配がない。絶望の中で、飛行機だけが動いていると気づいた。僕らは台湾ではなく高松に向かうことにした。