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こんなはずじゃなかったのに。

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時間の経過とそれに対する感覚のズレが大きくなってきている。週のうち1日半が出張で潰れると、あっという間に一週間が終わる。どんどん不純物が取り除かれ、対峙している物事だけが僕を覆う。不純物と表現しても本当は必要なものかもしれない。その判断すらできない(あるいはしない)。
向き合うことはある意味で可能性を絞り込んでしまう。それでも多くの可能性を残したままでは到達できない場所もある。脳が最短ルートを割り出し、体はシステマティックに動く。機械だ。意志の介在する機械。悪くはない。人間らしい生活への執着は、損なうものはないが手の届かないものは出てくる。結局何もかもトレードオフなんだ。得ると同時に失い、失うと同時に得る。

誰よりも高いところに向かいたい欲求はあまりないが、視界不良のもっと深い地点へは行ってみたい気がする。高みは地位で深さは思考かもしれない。

 

ハーフマラソンを走った。痛めている膝が回復していなかったので、結果は散々だった。折り返し地点からはまともに走れる状態ではなく、どんどん抜かれていった。(が、痛みでそれどころじゃなく、実際に抜かれた数ほどの実感はない)
完走できればいいやと考えていたとはいえ、けっこう悔しい。こんなはずじゃないのにと、走りながらずっと思っていた。原因はどうあれ、今の自分がこの程度であることを受け入れるしかない。受け入れて次に向かうしかない。

生きていくことは、こんなはずじゃなかったのにってことばかりだ。それでも、「こんなはずじゃなかったのに」とうじうじするか、「こんなはずじゃなかったのにとか考えても仕方ないし、ここからまた」と動き出すかは選択できる。

道無き道、手探りで。

Ashikaga, Tochigi
Ashikaga, Tochigi

自分ができない生き方を誰かがしていて、誰かができない生き方を僕がしている。ただそれだけのこと。
僕の現実はあなたの架空で、あなたの現実は僕の架空だ。そう言い換えてもいいかもしれない。

今立っている場所に卑屈になるんじゃなくて、それを踏まえてどうやっていきたいか(行きたいか/生きたいか/逝きたいか)を考えるしかない。そして、踏み出すしかない。

道無き道、手探りで。