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生存戦略。(Shanghai2014)

上海旅行のことを少し。トルコやアメリカ(途中)みたいに旅行記として詳細に書くというより、行ったときの感覚を少しでも熱量の残っているうちに残しておきたくて。
何か新しいことに出会う、すなわち感覚がアップデートされる体験をするってことだと思うのだけど、それは都市においてかなり重要なことなんじゃないかと、短期間にもかかわらず上海を訪れて強烈に感じた。もう少し具体的に書くと、正しい正しくないの判断を超えて、「なんだこれ?ありえねぇだろ!?」みたいな感覚に陥ること。
統計学的なことを無視して、素直な感情を吐露するなら、上海は完全に東京を上回っていると思わされた。何がどうっていうのはうまく説明しづらいが、さっき書いたような体験感の部分が特に。
外灘を歩いたときのワクワク感やSWFC(上海環球金融中心)の展望台から眺めたときに感じた狂気は、自分の価値観を大きく揺さぶるレベルだった。かなり犠牲にしているものも多いと思うんだけど、それを超えて「これが上海なんだ」ってアイデンティティを提示している。生き残るためにそこまでやるんだっていう気概みたいなものまで感じた。
日本でやっていると、誰に対しても損させないっていう最大公約数的なやり方で、できたものは大した面白くもないという展開になりがちなんだけど、上海はきっと対極だ。課題が大きくても小さくても、目指したアウトプットをとにかくどうにか実現させる。そういう強い意志を感じる。
中国中からそして世界中から人が集まる場所で、この開発でみんなが幸せになれたかどうかなんて訪れた人は考えない。面白いかどうかだけだ。また来たいと思うかどうかだけだ。そう、そういう意味で東京を凌駕しているんだと思う。反面教師だろうがなんだろうが、世界で戦う都市の中ではまた来たいと思わせた側の勝ちだから。
一方で、田子坊や新天地といった古い建物をうまく活用して現代的にアップデートしている場所もあったりもするのがにくい。しかもある程度面的に展開していて、エリアがブランドとして確立している。(新天地なんか完全に西洋人向けの高級店ばかりだし。ドイツビールめっちゃおいしかった。)
守るべきところを守るっていうのにも積極的で、日本みたいに表層だけ残してみたいな中途半端な感じじゃなくて、地割や元々の建物のスケール感を残している。どういうことが売りになるか完全にわかってやっている。こういうのもメリハリの1つなんじゃないかと思う。
とにかく日本のように都市が成熟しきってなく、勢いがあって(いつか成熟していってしまうのだろうが)都市全体が野心に満ちている。空間的な話とは別に、街の活気から、日本のバブルもこんな感じだったのかななんて想像した。

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Shanghai – 141122-24

強い陽射しの下、歩く、歩く。(Portland/Seattle2013 – 3)

9月9日 ポートランド

朝方に目が覚めてしまったが、二度寝はできず。昨日の昼寝の影響だろうか、それとも精神的な影響だろうか。ベッドから出たくない気持ちに蓋をして、シャワーを浴び、洗濯も済ます。部屋を少しだけ片付けて出発。
鍵を預け、そのまま外に出ようかと思っていたが、ホテルロビーに併設しているStumptown Coffee Roastersでコーヒーを買う。本当はケメックスで淹れてもらいたかったが、かなり混んでいたので、用意されたポットから自分で紙コップに注ぐ安価なコーヒーにした。それでも、ポットの横に豆の名前が書いてあり、ブレンドではなくシングルオリジンであることに感動した。ホテルロビーでコーヒーを堪能。居心地がいいので、いつも人がたくさんいる。一息ついてようやく外へ。
まずは昨日手に入れられなかった路線図と1day passを求めて、インフォメーションセンターへ。途中、青空市を見かけるも、まだ準備中で人は集まっていなかった。無事目的のアイテムをゲットして今日の本格的な活動を開始する。バスに乗って、ブランチをしにノースウエストに向かう。
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悲しみすら包み込んでくれる街へ。(Portland/Seattle2013 – 2)

9月8日 シアトル〜ポートランド

時差ボケなのかなんなのか朝方に目が覚める。寝ぼけながらネットを徘徊していると、あからさまに僕のことを批判している(少なくともそう受け取れる)文章を見かける。泣きたくなった。第三者ですら僕のことだと感じた人がいたので、おそらくそうなんだろう。なけなしの自信が吹き飛んだ。でもニケからのメールやツイッターのフォロワーさんからの温かい言葉で、なんとか持ち直す。せっかくの旅行なんだしとどうにか気持ちを持ち直そうとした。
そうは言ってもこんな気持ちのまま眠るのは無理だったので、早朝から営業している気になっていたカフェに散歩がてら向かうことに。
この時期でもシアトルの朝は肌寒い。パーカーでやっと耐えられる感じ。街には僕よりも厚着の人もいれば、Tシャツ1枚の人もいる。雲はあるが、晴れている。雲間から差し込む光が心を持ち上げてくれる。
目的地に着くも、ガランとしていたのでもう少し散歩を続けた。10分くらいして戻ってもまだ店員以外の人気はなかったが、ポートランドに向かう時間を考えると、そろそろタイムリミットなので意を決して店に入る。
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