テイク3の文章。
Category:Memento |
2013/04/24
ほとんど夢を見なくなった。あるいは、見た夢を覚えていることがなくなった。物思いに耽ることが少なくなった。もしくは、思考が浮遊することが減ったとも言える。
地続きの現実がひたすら続き、消灯するみたいにパッと意識がなくなり、気づいた時には夜は朝に変わっている。眠ることで唯一シーンが切り替わる。テイク1。起きる、移動する、働く、移動する、寝る。テイク2。起きる、移動する、働く、移動する、寝る。テイク3。起きる、移動する、働く、移動する、そしてこれを書いている。
モノレールが好きだ。視点が高いのがいい。窓が大きいのがいい。海を挟んで大都会東京を眺められるのがいい。ふっと、東京を客観的に見ることができる。普段は無数のアクティビティの1つでしかない自分が、その総体をぼんやりとでも意識できる。大丈夫、まだ根は張っていない。
飛行機は好きでも嫌いでもない。頭や耳の調子は悪くなるし、降りたら全身がだるい。その代わり、眠っている間に、本を読んでいる間に、遠くへ運んでくれる。仕事であれば、労働力を輸送してくれるとも言える。たまに墜落することを考える。真っ先に混乱する側か、冷静に誘導する側か、はたまた最後の余韻を楽しむ側か。イメージしようとしても、どうにもよくわからない。
空港が好きだ。特に国際空港が好きだ。旅立ち前の独特の顔が見れる。大きなスーツケースを引くビジネスマン、はしゃぐ子どもと叱る親、淡々と業務をこなすグランドアテンダント、少し疲れた様子の母国に戻る外国人。日常と非日常が入り混じっている。彼らの彼女らのストーリーを感じる。
どこよりも落ち着く自宅で、これを書いている。それではまた明日。