temporary praying interspace
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2016/12/25
ただ壁であり床であり天井であるものに囲まれた空間は宗教性を帯びると知った。祈りの空間。比較は失礼にあたるかもしれないけど、ルイス・カーンを想起した。(って言っても実際に空間を体験したことはないんだけど、学生時代に疲れ果ててうとうとしながら映画館で観たマイ・アーキテクトではなんらかの神聖なものを感じた。)そして長い年月を経過して少し朽ちた素材で構成されていることもまた何とも言えない趣きを醸し出していた。
毎週のように現場へ顔を出していると、住むための要素がその度に付加されていく。暮らしは根源的な美しさだけでは成立しない。僕が実際に訪れた最も美しい建築はバルセロナ・パビリオンだと思うけど、あれはあらゆるものを削ぎ落としたモデルでしかないものだし。
このリノベーションが完成したらそれはもちろん感動するのだろうけど、解体後の一瞬だけ現れた住めやしない神秘的な空間を肌で感じられたことは貴重な体験であった。