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飛ばせ想像を。

虐殺器官 (ハヤカワ文庫JA)

虐殺器官 / 伊藤 計劃

テロの時代に、その脅威から身を守るため徹底された情報管理。この本の設定に対して、うまく規定できない余白が人の幸せと密接に関わっているのではないかとそんなことを思った。そしてまた、誰でもない何にも縛られない個としての時間の必要性も感じた。

体の外側の悲劇と内側の悲劇。幸福な時代の不幸な人間、あるいは不幸な時代の幸福な人間。価値の基準が生まれ変わっていくかもしれない。

つらつら書いた文章は別にこのSF小説の内容にそこまでリンクしていないだろうけど、小説のもつ想像力に影響されて書いているのだから、感想と言えなくもない。

著者が若くして亡くなってしまったのが惜しい。

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