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去る町への感慨と、出会う町への期待と。(Turkey2012 – 3)

7月17日 カッパドキア〜サフランボル

この日はサフランボルへの移動日。
まだまだカッパドキアを感じていたい気持ちがあったので、早起きしてバルーンを眺められる坂の上のポイントへ向かう。寝起きでこの坂道は辛いが、早足で頑張る。
ようやく着くと、バルーンが着陸し始めていた。細長く萎んでいく様子を見て慌てる。もうホテルに戻る方向に歩いている人もちらほら。少し寝坊したのが痛かった。歩きながら、眺めながら、写真を撮りながら、朝の太陽を浴びる。(写真を見返すと、この場所でニケが撮った僕が入り込んでる写真はかなり好きだ。少し悔しいくらいに。)夏のトルコでも少し涼しくて、とても気持ちいい。あぁ、この土地もこれで最後なんだと、感傷的な気持ちが湧き上がる。
どちらかというと、自然的な風景よりも都市的な風景に心惹かれるタイプなのに、カッパドキアの大地には気持ちを揺さぶられた。いや、2者の関係に理想的な何かを見つけたのかもしれない。土地そのものの力強さ、そして、土地に対する町としての立ち振る舞いや潔さ、そういったものに。まあ暮らしの実態はそんな甘ったるくはないのだろうけど。
ホテルの朝食は本来8時開始だが、8時15分のバスに乗車予定のため、7時45分開始にしてもらうことができて大変ありがたかった。朝食前に荷物の準備を済ませ、相変わらず眺めのいい屋上で朝食をいただき、名残惜しい気持ちのままチェックアウト。オーナー夫人で日本人の杉本さんにお別れが言えなかったことが心残り。(ツアーの予約など色々お世話になり、緊張感漂う旅の始まりにおいて、とても心強かった。)
カッパドキアでは先程述べたようにその特徴的な地形に魅了されたわけだけど、それと同じくらい印象的だったのは空だ。この町にいる間、雲を1つも見ることがなかった。濃い青空が不可思議な大地と対になって、常にそこにあった。大地が青空を支え、青空が大地に蓋をした。僕らの旅はまだ続く。
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ギョレメのオトガルに着き少ししてやってきたバスは昨日のツアーのバスと同じミニバス。しばらく乗っていると、まさかこれでサフランボルまで行くのかと不安になり始めた頃にネヴェシュヒルのオトガルに到着した。どうやらここで乗り換えるらしい。
この待ち時間にちょっとしたハプニング。ホテルからカバンにいれてきた水が少しずつ漏れていたようで、僕の長袖シャツが濡れてしまった。ニケが羽織ってくれたことで、待ち時間を活用して乾燥させてくれた。本人は涼しくて気持ちよかったと言っていたが、本当に感謝。
そのうち首都アンカラ行きのバスがやってきた。噂に聞いていた通りベンツ製。各席にモニターもついてかなり快適だ。だが乗った後すぐに2人とも熟睡。途中の記憶はトゥズ湖の白さとそこでとった軽い昼食(パンにハムとトマトとなんやらを挟んだもの)くらい。
アンカラに到着すると、ネヴェシュヒルと比較にならない大きなオトガルだった。出発フロアと到着フロアが上下に分かれていて、まるで空港のよう。さすが首都。乗り換え場所も確認し、若干お腹が空いていた僕は薄い具なしのピザ生地を焼いたようなものを売店で購入した。ニケは興味がないようだったが、それなりにおいしかった。
いざサフランボルへ。僕は終盤あまり眠れなかったこともあり、アイアンマン2のトルコ語吹替版を観ていたのだが、1も観てないしトルコ語だしで途中で断念し、帰りの飛行機で観ることを決意した。そしてようやくサフランボルに到着。
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サフランボルからイスタンブールへのバスチケットを事前に購入後、オトガルから宿があり世界遺産である旧市街(チャルシュ)にはタクシーで移動。到着寸前に道路の舗装が風情ある石畳に変わる。街の中心である広場から少し登ったところに僕らの宿、チェスメリ・コナックがある。
入ると、何はともあれという感じでチャイでもてなしていただく。チェックインを済ませ部屋に向かうため階段を上ろうとしたところ、オーナーの息子らしき男の子に止められる。ビニールを靴に付けろとのことで、宿自体が歴史ある建物であるため汚してはいけないらしい。部屋に入るとやはりなかなかの趣き。ただし、窓があまりないため部屋は若干薄暗い。(というより、外国の一般的なホテルで日中明るい部屋に出会ったことはない。太陽は外で味わうものなんだ、きっと。)
荷物の整理後、早速まちに繰り出す。もう夕方に差し掛かっていたこともあり、観光は明日にまわしてハマムに行った。ハマムは簡単にいうとサウナに洗い場がついたお風呂。浴槽はない。ニケと別れて男湯に向かう。基本料金は25TLで、垢すりとマッサージ付きならプラス10TL。せっかくなので垢すりマッサージ付きを選択する。
まず個人部屋の脱衣所に通され、服を脱ぎ下半身は布で巻く。中に入ると、まずは奥にある1番蒸し暑い部屋に入り、汗を出す。肌が湿ったところで手前の大きい部屋に戻ると、おじさんに垢すりとマッサージ専用のスペースに連れていかれる。垢すりから。うつ伏せ→仰向けの順。容赦がなく痛いときもあるけど、気持ちいい。次は体を洗うのだけど、めちゃくちゃ大きい泡をどっさりかけられ一気に頭も顔も含めて全身を洗う。これは相当気持ちいい。マッサージは本格的ではなく軽め。最後に体を流して終わり。上がると新しいタオルを腰に巻き、上半身と頭もぐるぐる巻にされる。しばらくクールダウン。いつまでその状態でいればいいかわからなかったので、おじさんに確認し、最初の脱衣所で服を着て終了。
総括としては、流れに戸惑いはあったけど、内容は比較的満足。ただ一点だけで気になったのは、垢すりや体を洗ってもらう際、おじさんのぽこっと突き出たお腹が僕の腕にひっつくことだ。なんともいえない味わい。
外に出るとニケが既に終わって待っていた。お互いに感想を言い合う。どうやら女性は水着がなければパンツを履いたままサービスを受けるため、ニケは今ノーパンらしく、その報告にかなり笑った。日本じゃできない体験を噛みしめて一旦ホテルに戻る。
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そろそろ夕食食べなきゃということで、時間もけっこう遅いため地球の歩き方に載っている店にしようかとホテルを出ると、たまたまホテルのオーナーに会い、向かいのレストランを強く進められた。チャルシュで1番おいしいとか言っていた。お腹もかなり減っていたので、そこでいいかと決めたのが間違いだった。
その店は雰囲気はいいのだが、メニューがなく、英語もあまり得意としていない僕らにとっては戸惑いばかり。サフランボルの伝統料理とサラダを勧められたので、じゃあそれでいいかと注文。サラダはやはりおいしい。伝統料理の見た目はラビオリみたい。もう少し大きいかもしれない。これが非常にクセのある一品だった。出てきた時はおいしそうで、かなりテンション上がったのだけど、口に入れた瞬間、「ん…?」とお互い顔をしかめる。具に肉は一切入っていなく、チーズとミントが中心の独特な料理だったのだ。名前は『ペルーヒ』。トルコに行かれる方はこの名前は覚えておいてほしい。最強の刺客、ペルーヒ。(一応言っておくと、好きな人もいると思います。)
そそくさとそこでの食事を切り上げるが、お腹が満たされていない僕らは自然と険悪な雰囲気となり、仕方なく閉店間際のロカンタに飛び込む。この選択も失敗だった。選べる料理はほとんどなく、肉の入った煮込みと大豆の煮込みを注文。肉の方はかなり量が少なく、大豆の方はかなり味が薄かった。険悪な雰囲気は改善されず。この旅唯一の食事選択の失敗と言っていいだろう。
食後、どうにか良い状況を取り戻そうと、明日行く予定である観光地として有名なフドゥルルックの丘まで散歩する。暗いこともあり、道に迷いながらなんとか到着。まだカフェが開いていたので、僕は蜂蜜を入れるサフランボルチャイを、ニケは普通のチャイをいただく。夜景を見ながらチャイを飲んでいるとようやく雰囲気が若干改善されたが、ギクシャク感が残ったままホテルに戻り就寝。
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その他の写真はこちらから。
Turkey – 120717

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