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temporary praying interspace

Renovation_161203
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ただ壁であり床であり天井であるものに囲まれた空間は宗教性を帯びると知った。祈りの空間。比較は失礼にあたるかもしれないけど、ルイス・カーンを想起した。(って言っても実際に空間を体験したことはないんだけど、学生時代に疲れ果ててうとうとしながら映画館で観たマイ・アーキテクトではなんらかの神聖なものを感じた。)そして長い年月を経過して少し朽ちた素材で構成されていることもまた何とも言えない趣きを醸し出していた。
毎週のように現場へ顔を出していると、住むための要素がその度に付加されていく。暮らしは根源的な美しさだけでは成立しない。僕が実際に訪れた最も美しい建築はバルセロナ・パビリオンだと思うけど、あれはあらゆるものを削ぎ落としたモデルでしかないものだし。
このリノベーションが完成したらそれはもちろん感動するのだろうけど、解体後の一瞬だけ現れた住めやしない神秘的な空間を肌で感じられたことは貴重な体験であった。

なかなか始まらなかった工事は始まるとどんどん進む。

Renovation_161217
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家づくりの次のネタを書こうと思ってたら、2ヶ月も経ってしまった。労働や家づくり関連で慌ただしくブログまで手が回らなかった。中古マンションの選び方は今度にして、これまでをざっと振り返ってみる。

不動産取得関連としては、9月中旬に売買契約、9月末に引渡し。けっこうスピーディで大変だったけど、そんなに大きな問題はなかったかな。いや、ローンの審査はそこそこ不安だった気がする。結果的には不動産屋も驚くほどの早さで通過した一方、そのせいで引渡し時の現金を焦って用意したり。あとは管理規約とか重要事項説明書あたりは読み込んで、都度質問して気になる点を潰すようにした。はっきり言って余程緻密に見ていかないと全てがクリアになることはないし、そこまで自分ができたかというと多分できていない。でも資産としての側面が強い人はガツガツやるべきだと思う本当に。

上記の動きと並行して、9月中旬からはショールームを回って何を採用したいか目星を付けて回った。ユニットバス、洗面関連、キッチン水栓、ガスコンロ、フローリング、タイルあたりはどんどん候補を絞って、設計者に伝えてという感じ。もちろん工事分のローン予定金額も共有してるので、ある程度コスト感覚を合わせながら進められたのはよかった。
工事請負契約に向けて設計も詰めてもらってて、概算見積が出てきたのが10月末かな。経験者のほとんど全員が同じ結論だと思うけど、もちろん予算オーバーしていた。それでも余裕見て予算を組んでたつもりだったから、けっこうショックだった記憶がある。結局、減額調整してローンの枠内で11月中旬に請負契約できたけど、施主支給も多いので最終的に当初想定していた予定に収まるかは難しいかもしれないなという覚悟はしている。(我が家の場合は設計として特殊な部分があるので、仕方ない側面もあるのだけれど。。)
近隣説明に少し時間を要し、11月末から始まった解体工事は4〜5日で終わった。始まると早い。。解体してわかったことや出てきた問題もあって、またそれで調整しつつ(現時点でもまだ調整事項は残っていると思う)、12月中旬から下地や設備関連の工事が始まり、今まさにその最中。かっちり決め切らず少し余白がある状態で進めているから、短時間で決断を下す必要のある場面も出てきて、脳をフル回転させなきゃいけないこともある。(今考えると吊るしランプを決めるタイミングけっこうぎりぎりだったな。笑)でも工事が始まってからは概ね良い精神状態で進んでいると思う。
この間にランプやドアの金具やダイニングチェアを購入したりしてるんだけど、さすがに書くの疲れてきたのでまた今度機会があれば。場合によって完成後にでも。

「中古マンション+自分達でリノベ」の選択理由。

買うか借りるか

これはどの視点で見るかで随分意見が変わるし、そもそも「どっちが得か」みたいな資産的な発想だとおそらく「中古マンション購入+自分達でリノベーション」なんて選択肢は出てこないと思われる。(いくらリノベしても、基本は立地や床面積や築年数あたりで資産価値は決まるので。)
自分が購入に向かった動機は、大学入学以来15年くらい賃貸に住んでる身として、もっと暮らしの質を上げたいなと感じる場面が多くなったからだろうか。建築系を専門に学んでいた経緯もあり空間に対する想いも元々あったが、何より仕事が大変でも家に帰るとうまく切り替えられるような場所にできないかという想いが募ってきた。少々理想的過ぎるかもしれないけど。そういった暮らしの質を上げるには賃貸では物足りなくなってきたのだ。(もちろん今回設計を頼んだ後輩の自宅のように、賃貸でも自らの頭と手を活用してオリジナルな場所に仕上げることは可能だが、色々な意味でそこまで僕にはできない。)
何か決定的な要因というより、ここまで書き綴った想いと金銭的な見通しが合致したため、自然と買う決断に至った感じである。

 

「中古マンション+自分達でリノベ」を選択した理由

買おうかとなってもそこからの選択肢も色々ある。戸建てかマンションか。新築か中古か。新築戸建てなら建売か注文か。マンションならそのまま住むかリノベするか。リノベ済みを買うか、買ってリノベするか。それらの組合せ。
で、どれを選ぶのかは、自分達がどんなライフスタイルを実現したいかと、僕の中ではイコールだ。選択に関わる条件を羅列してみる。

  • 夫婦それぞれの通勤はこれまで通り楽なまま(徒歩圏あるいは自転車圏)
  • 現在の最寄り駅周辺が気に入っているので、できれば来やすい場所
  • 将来的に子どもができたとして、できる限り暮らし続けられるある程度の広さ(一方で夫婦2人のままで手に余ることのない広さ)
  • 建売住宅や新築マンションでありがちな新品ピカピカな感じは回避
  • 健康的なことも考慮して、ローンの支払いに無理のない程度の価格(借入限度から相応の余裕をみた融資額)

そんなところかな。これらを満たそうとすると、まずそこそこ土地の高いエリアになってしまうため、新築系は消える。中古戸建てはそもそも物件自体が少なくて初めからあまり頭になかった。(リノベ費用も高くなるみたいだし。)そうすると中古マンションしか残らない。そしてリノベ済み物件は気に入るものが少ないだろうし、それが住みたいエリアにある可能性は更に下がる。結果として、「ここなら」という場所で、「好きな空間」を実現するために、「中古マンション+自分達でリノベ」を選んだ(というより選ばざるを得なかった、やっぱりお金大事)。
次回は恐らく中古マンションの選び方。乞うご期待。

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